実るほど頭を垂れる稲野かな

災害時のツイッター活用の提案

災害伝言サービス は、フェーズフリーの真逆

災害時の専用システムは使われない

日常的に使っているシステムを災害時に活用することが重要、と古くから多くの人が言っています。

具体的な事例として、災害時の安否確認における『災害伝言サービス』と『LINE』について説明します。

 

災害伝言サービスとは、災害用伝言ダイヤルとか、災害用伝言版といったサービス名称で、各電話会社が以前から提供している災害時の伝言=安否確認のサービスです。

 災害時にしか使えないサービスであり、利用者が極めて少なく、言わば、フェーズフリーの真逆のサービスです。

 

そもそも災害伝言サービスが作られた背景は、災害時に安否確認のため『もしもしおばあちゃん大丈夫…』といった感じで、多くの人が安否確認の電話をかけて、電話回線がパンクする事態が多発し、これを回避しようとして作られたサービスです。昔は、通話している最中、回線を占有する方式であったため、回線パンクが発生しやすかった環境にありました。

 

現代では、災害時の安否確認は日常的に使っているLINEを使えば十分に目的達成できます。この際の通信はパケット通信、すなわち音声や文字情報をデジタルデータに変換・小分けして、送受信している時だけ回線を利用する方式となり、回線がパンクしにくくなっています。

 

このように、災害時の安否確認を行う際、災害専用として作られたサービスは使われず、日常的に使っているサービスが災害時にも使われる、といった状況になっています。

 

フェーズフリーの概念を説明する好例と思います。