実るほど頭を垂れる稲野かな

災害時のツイッター活用の提案

災害時、みんなで現地状況をツイートしよう

「災害時に現地の人が、現地の状況をツイッターに投稿することで、多くの人に役立つ情報源になる。」
といった仮説の検証と考察です。
 
1.和光市ツイッター活用防災訓練
 埼玉県和光市は、防災訓練のメニューのひとつとして、ツイッター活用訓練を行いました。(2014年6月1日)
 具体的には、住民に対して、ハッシュタグ #和光市災害 と位置の情報をつけて、現地状況をツイートするよう、お願いしました。(ハッシュタグを付けるとは、投稿文の中に、「#和光市災害」を書いて下さいということです。)
 

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 訓練の結果、市内の状況を伝える内容で、数多くのツイッター投稿(191件)が得られました。懸念されたイタズラ的投稿は少数(13件)ありましたが、大多数は的確な投稿でした。

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2.ゲリラ豪雨時のツイート

 そして、6月1日の訓練後、6月25日に和光市ゲリラ豪雨が発生しました。その際、住民が自発的に、市内各所の冠水等の状況を伝える内容で、ツイッターに投稿しました。これらは市内の状況を把握する情報源として役立つものと評価できます。なお、この際にはイタズラ的投稿はゼロでした。

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 3.考察

 その後、和光市では年1回のペースで防災訓練を実施しています。大雨や大雪等の際には、住民が市内の状況を伝える内容で投稿しています。
 
 この和光市の事例を参考に、他の自治体でも同様の取り組み実施する事例が、少しずつですが、出てきています。(茨城県龍ケ崎市富山県富山市、東京都東村山市、福岡県福岡市など)
 これらの訓練の全般を通じて言えることは、一部の訓練で少数のイタズラ的ツイートを見かけるケースもありますが、大多数は現地状況を伝える的確なツイートです。また、こうしたツイッター活用による特別のトラブル等は、これまで発生していません。
 
 以上のことから、住民が災害時に、#◯◯市災害 をつけて現地の状況をツイートする方法は、訓練などで住民に定着することにより、災害時の情報源として役立つ可能性があると考えます。
 
 詳細な考察や、課題点として想定される信頼性の確保やデマ対策などについては、別途、このブログの中で説明していきたいと思います。